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将棋 初段になるための棋書5選!

マチュア初段までの道のりは、そう平坦なものではない。将棋を始めた人が、大目標としておくのがアマチュア初段だ。全初心者将棋指しが、これを目指して勉強し、腕を磨き、対局に臨む。

 

将棋の勉強法について調べたとき、挙がるのは主に3つ。「対局(感想戦込)」「棋譜並べ」「棋書を読む」だろう。個人的に、アマチュア級位者におけるこれらの優先順位は棋書>対局>>>棋譜並べだと思っている。棋譜並べはあまりに煩雑だ。盤と駒を並べるのもめんどくさい(それが好きな人もいるかもしれないが…)し、プロの手は狙いが難しいし、アマチュアには指すのが難しい。これを学んで、プロに少しでも近づくというのは至極ごもっともだが、級位者には不要だろう。アマチュア級位者にはアマチュア級位者なりの勉強法があるのだ。

 

今回の記事では、初級者~初段までを対象に、これだけ読み込んでおけばアマチュア初段は間違いなく行けると自信をもって言える棋書を5つ、紹介していく。なおこれらは、アマチュア2段の自分が、購入して、読み込んで、評価したものだけを紹介しているので、まず間違いない。ぜひ読み込んで、初段まで駆け上ってほしい。

 

■1 寄せの手筋200

将棋を指している人には、これはもう誰もが知るバイブルだろう。将棋の終盤、寄せの局面での、次の一手形式の問題集である。将棋の終盤はこれだけ押さえておけばいいと、自信をもってお勧めできる棋書だ。問題は、左ページに問題2問、めくって右ページに解答、解説といった形式で、これが寄せの種類ごと(上から、挟撃、退路封鎖など)に、かつ難易度順で出題される。しかも、基本的に2問目は1問目の応用で、3問目は2問目の応用で解けるようにできている。初級者に解けない問題も、前問を解けるようになるまでコツコツやりこめば、必ず全部解けるようになっている。最高難易度の問題は有段者にも手ごたえ抜群。まず間違いなくこの棋書は買いだ。

 

■2 「次の一手」で覚える 四間飛車定跡コレクション404

「初心者にお勧めの戦法は?」と聞かれれば、ほとんどの良識ある将棋指しは「棒銀」と「四間飛車」の両方を勧めるだろう。

棒銀は、将棋の基本のエッセンスが死ぬほど詰まった、初心者にぶっちぎりでお勧めの戦法だ。なにより「数の攻め」「次の手の読み」が読めることがいいだろう。ガンガン攻めて、成り込んだ龍で荒らして勝つ!わかりやすくて、いい戦法だ。あの加藤一二三先生も愛用していた戦法である。

四間飛車は、正直初心者にお勧めするのはちょっと難しいのではと、個人的には思っている。それでも初心者によく勧められる理由は、「囲うまで、ほとんど妨害されない」ことと、「手待ちが豊富で、序、中盤に手に困らない」ことが上がると思う。振り飛車最強の武器。それは美濃囲いだ。そして、四間飛車は、ほかの振り飛車と違って、最も安全にこの美濃囲いを作れる。例えば三間飛車は、66歩と角道を閉じて、78飛と回った時、角道をこじ開けられ、角交換ののち、67角と打ち込まれる手があり、これのケアをしなくてはならないと、初心者の貴重な脳みそのリソースを割く必要があるのだ。

上記棒銀四間飛車を、四間飛車メインであるが、ざっくりと、次の一手形式で学べるのがこの棋書だ。問題数も多く、難易度もそれなりと、初心者には少し難しいかもしれないが、是非手に取って学んでいただきたい。

 

■3 美濃囲いを極める77の手筋

四間飛車本の紹介でも書いたが、振り飛車(特に四間飛車)は、初心者にお勧めの戦法だ。初段になるまで四間飛車しか指していない!という方も、意外といるのではないだろうか。自分はまさにそうだった。初段までは四間飛車だけ。2段までは三間飛車だけしか指していない。特定の戦法だけを強くなるのも、昇級、昇段への近道として、無駄がなくて良いだろう。そして、これも四間飛車本に書いたが、そんな振り飛車最強の武器は、美濃囲いだ。少手数で完成する囲いで、その硬さ、遠さたるや、個人的にコスパ最強の囲いだと思っている。これはその囲いについての勉強本で、横からの攻め、縦の攻め、コビンの攻め、端攻めと、美濃囲い攻略/受けについて様々な問題が出題される良書だ。なにより、振り飛車を指す人にとっては、相手の攻めの受け方を。居飛車を指す人にとっては囲いの攻め方が学べるというのがいい。お勧めだ。

 

■4 石田流を指しこなす本(急戦/持久戦/相振り)

 

四間飛車と比較して、ぶっちぎりの攻撃力を持つ振り飛車。それが石田流だ。振り飛車の捌きの肝である左桂を使いこなして、こちらは美濃囲いが鉄壁で最強に見える、石田流戦法についての本である。多数ある石田流の本の中で、これをお勧めする理由は一つ。攻めが気持ちいいからだ。この棋書を書いた戸辺誠先生は、攻める振り飛車で有名な先生で、石田流、ゴキゲン中飛車のプロフェッショナルだ。この棋書にも鋭い捌きと華麗な手が、初手から寄せまで、非常に分かりやすく、次の一手形式でまとめてある。石田流は、相手の手によっては簡単には成立しない戦法ではあるが、決まった時の破壊力たるや、振り飛車随一である。

 

 

■5 実践詰め筋事典

詰将棋本は、どの本を読んでも力がつく。正直なんでもいいのだが、お勧めさせていただきたいのはこの棋書。詰将棋には基本的なルールとして、「持ち駒はすべて使用する」「詰将棋に関係のない不要な駒は置かない」というものがある。しかしこれでは、3手詰めで、持ち駒が2枚あった場合、初手も3手目も持ち駒を打つということがわかってしまい、実践的ではない。そういった詰将棋のルールに縛られず、実践に近い局面での詰将棋を詰め込んだ棋書。それがこの詰め筋事典だ。正直詰将棋本は、パズルゲーム的な意味合いが強い。実際の対局で起こりえない局面が問題にされがちで実践的な棋力に直結しづらい。この棋書は、実践で起こりやすい局面での詰将棋が詰め込んである。難易度も初心者~初段級まで満足できるだろう

 

 

上記、5つの棋書をお勧めさせていただいた。いずれもアマチュア将棋指しに人気のある棋書で、まず間違いなく棋力向上に役立つことだろう。これらを読み込んだ結果、初心者の皆さんが昇級、昇段されたのであれば、これに勝る喜びはない。